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ありがとう、けど、云わん。

家族を知らない男が、つかみかけた幸せを前に、親友と婚約者の間で揺れる―日本の片隅に生きる若者たちの息遣いを骨太に描き出した人間ドラマ

2018年2月 渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー!

第29回 東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 公式出品。第23回 フランス ヴズール国際アジア映画祭 審査員賞 / NETPAC賞(最優秀アジア映画賞) / ギメ東洋美術館審査員特別賞受賞。第14回 ソウル国際アガペー映画祭 Re-Awakening of The Asia Agape Films部門 公式招待。第17回 ドイツ ニッポンコネクション2017 ニッポン・ヴィジョンズ部門 審査員スペシャル・メンション受賞。

2016年東京国際映画祭スプラッシュ部門で上映され、エモーショナルなラストに観客の拍手は鳴りやまなかった。
その後フランス・ヴズール国際アジア映画祭では、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)含む3冠を達成、ドイツ・ニッポンコネクションほか海外映画祭でも高い評価を得た本作。
そこで描かれるのは、苦しい生活の中で喜び、悩み、涙する、人間たちの息遣い。
自分が持ちえなかった家族のぬくもりを渇望し、愛を求め、後悔を抱えながら、それでも生きていく―主人公・旭を演じた松浦の実話を基に、監督の春本雄二郎がオリジナル脚本を書き上げた。
ダルデンヌ兄弟、ケン・ローチ、ヤン・イクチュンといった人間ドラマの巨匠たちに続き、日本映画界に新たな才能が出現した。
その骨太な演出に確かな演技力で応えた松浦慎一郎、梅田誠弘、遠藤祐美ら俳優陣。
今の日本で生きるには不器用すぎる人物たちが織り成す物語は、容赦なく観る者の胸に迫ってくる。

家族の温かさを知らずに生きてきた旭は、同棲中の佳織と結婚を目前にしながら、良かれと思って紹介した仕事で親友の洋人を詐欺の被害に合わせてしまう。
養護施設で家族同然に育ってきた唯一無二の親友と、認知症が進む祖母のために結婚式を急ぐ婚約者の間で、次第に旭は追い詰められていき…

  • 旭(あさひ):松浦 慎一郎

    1982年生まれ。長崎県五島列島出身。
    サラリーマンとして働いていた時に出演したCMがきっかけで脱サラし、俳優へ。映画を中心に活動中。
    俳優、ボクシングトレーナー、刀パフォーマーと活動の幅は広く、ボクシング界に貢献活躍したトレーナーに送られるエディ・タウンゼント賞を2010年に受賞している。
    武正晴監督『百円の恋』(14)では、トレーナー役として出演の他、ボクシング指導も務めた。
    主な映画出演作に岸善幸監督『あゝ、荒野』(17)、入江悠監督『ビジランテ』(17)、内藤瑛亮監督『許された子どもたち』(公開待機中)などがある。

  • 洋人(ひろと):梅田 誠弘

    1983年生まれ。鳥取県出身。
    22歳から役者活動を始め、小劇場などの舞台で経験を重ねた後、映像作品でも活動を広げる。
    近年では内田英治監督『獣道』(17)のほか、TVドラマなど出演の幅を増やしている。
    趣味は卓球でインターハイ経験も持つ。2018年公開待機作多数。

  • 佳織(かおり):遠藤 祐美

    1982年生まれ。神奈川県出身。
    日本大学芸術学部映画学科在学中に俳優として活動を始める。
    最近の出演作に、奥田庸介監督 映画『ろくでなし』(17)、TBSドラマ 堤幸彦監督「神の舌を持つ男」、TV-CM ユニリーバジャパン AXE BLACK「AQUA JELLY編」、南海電鉄「南海愛ドラマ 高野山編」、カゴメ 野菜生活100 Peel&Herb「午後4時のリフレッシュ編」などがある。

  • 喜多(きた):森本 のぶ

    1979年生まれ。京都府出身。
    ㈱オフィスMORIMOTO代表取締役。
    東映太秦映画村にて、暴れん坊将軍の撮影に貸衣装を着て潜入。出番待ちの役者に俳優を志願しその後上京。20代は主に小劇場で活動。
    2014年からオフィスMORIMOTO代表兼俳優として活動。
    主な映画出演作として、北野武監督『龍三と七人の子分たち』(15)、瀬々敬久監督『64-ロクヨン-』(16)、マーティン・スコセッシ監督映画『沈黙 SILENCE』(16)、北野武監督『アウトレイジ 最終章』(17)など。

  • 監督・脚本・編集・製作:春本 雄二郎

    1978年生まれ。兵庫県神戸市出身。
    日本大学芸術学部映画学科卒業。
    卒業後、松竹京都撮影所の演出部となり、井上昭、石原興らに師事。『鬼平犯科帳』『必殺仕事人2009』など時代劇を多数経験。
    2010年からはフリーの演出部として、様々な映画やドラマに携わる。
    初監督・長編映画『かぞくへ』は、東京国際映画祭をはじめ国内外多数の映画祭でノミネートされている。
    最も影響を受けた映画監督は、クシシュトフ・キェシロフスキ、ダルデンヌ兄弟、増村保造。

  • Director’s Statement

    『Family』—。日本語の漢字では『家族』と書きます。
    “その家の一族”と解釈できます。
    また『家』という漢字には、“house”という物質そのもの以上の、血縁、親類縁者の意を内包しています。
    『家を継ぐ』『家を守る』『家を分ける』 などはその代表的な言葉と言えるでしょう。 西洋文化の影響、少子高齢化の急速な進行の中で、現代の日本には、『核家族』という言葉が生まれました。
    家族を構成する人間の数が限りなく小さくなり、『家』という考え方の衰退は明らかです。もはや『家族』という言葉が内包する意味と、現代の家族像は大きなズレを抱えているのです。
    日本人は改めて『家族』という言葉を通して、現代の「かぞく」の姿を見つめ直す転換点に立っているのです。
    この物語に登場する3人の人物
    『家』という環境を知らぬ“旭”
    『家』という絆に情を持ちながらも、翻弄される“佳織”
    『その両方を知る』“洋人”
    三者それぞれの“かぞく”を大切に想う気持ちがぶつかり、すれ違います。
    それぞれの選択はどれも間違いではありません。どれもが“真実”です。
    私たちはそこに新たな『かぞく』という言葉の手がかりを見つけることができるのかも知れません。
    『かぞく』とはー。
    監督・脚本/春本雄二郎

  • 撮影:野口 健司

    1980年生まれ。長野県出身。
    日本大学芸術学部映画学科卒業後、撮影助手として、木村信也氏、柳島克己氏らに師事する。
    2015年に撮影技師として一本立ち。主な撮影作品として、頃安祐良監督『あの娘、早くババアになればいいのに』(13) 、内田英治監督『下衆の愛』(15) 、飯塚俊光監督『ポエトリーエンジェル』(17)、 内田英治監督『ダブルミンツ』(17) 。
    Bカメラ担当作品に鶴橋康夫監督『後妻業の女』(16)、 羽住英一郎監督『Over Drive』(18)などがある。

  • 照明:中西 克之

    1984年生まれ。愛知県出身。
    学生時代から塚本晋也監督のさまざまな現場に参加。卒業後、東映京都撮影所照明部にて4年間修行をし再び上京。
    主な作品に安藤尋監督『海を感じる時』(14)、吉田恵輔監督『ヒメアノ~ル』(16)、安藤尋監督『月と雷』(17)、齋藤俊道監督『色のない洋服店』(17)など。塚本晋也監督の新作映画が公開待機中。

  • 録音・整音:小黒 健太郎

    1982年生まれ。千葉県出身。
    日本大学芸術学部映画学科卒業。
    サウンドデザインユルタ入社後、録音助手として活動を始める。TVドラマ『D×TOWN 心の音』で録音技師を務める。
    以降代表参加作品は、三原光尋監督『ムラサキカガミ』(10)、 槙坪夛鶴子監督『少女の夢〜いのちつないで〜』(12)、 山口義高監督『アルカナ』(13) 、深津智男監督『次男と次女の物語』(16) 、吉田恵輔監督『ヒメアノール』(16)。